決議・声明

憲法第96条の改正発議要件緩和に反対する声明

2013.06.28

 日本国憲法第96条は、憲法を改正するためには、衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で国会がこれを発議し、国民投票における過半数の賛成による国民の承認を経なければならないと定めている。
 ところが、近時、この憲法の発議要件を緩和すべく、憲法改正をしようとする動きがある。
 しかし、憲法第96条を改正して発議要件を緩和することは、以下のような重大な問題があるため、当会はこれに強く反対するものである。
 憲法は、個人の基本的人権を不可侵のものとし、これを保障するため、国の基本的なあり方を定めている。憲法第11条は、「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」とし、憲法第97条は、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」とする。まさに、憲法は法秩序の頂点に立つ最高法規として、個人の基本的人権を守るために、諸外国と同様、改正手続に厳格な要件を求め、国家権力に縛りをかけ(立憲主義)、安易な改正を防止しているのである。
  従って、憲法改正は、国民の相互間においては勿論、国会においても充実した十分な議論が尽くされ、その上で、真に多数の国民の支持を得てなされなければならない。もし、憲法改正の発議要件を3分の2以上から例えば過半数にすると、議会の過半数を握った政権与党は、たやすく憲法改正案を発議することができることになる。
 憲法第96条について提案されている近時の改正案では、その時々の国家権力に都合よく変更されるおそれがあり、国の基本的なあり方を不安定にすることになる。
 更に、憲法の実質的な最高法規性にも反し、国家権力に縛りをかける立憲主義が破綻し、基本的人権の保障を破壊するおそれがあり、到底許されない。
  よって、当会は、憲法改正の発議要件を衆参各院の総議員の3分の2以上から緩和する憲法第96条の改正に、強く反対するものである。

2013(平成25)年 6月28日
                   鹿児島県弁護士会 会長  柿内 弘一郎 

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