決議・声明

「集団的自衛権の行使容認に反対する会長声明」

2014.02.27

1  政府は、集団的自衛権に対するこれまでの憲法解釈を変更し、その行使を容認する動きを加速させ、集団的自衛権の行使を明記した国家安全保障基本法案を近々国会に提出しようとしている。

2  ところで、これまで政府は、集団的自衛権について、「自国と密接な関係に
ある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、 
実力をもって阻止する権利」と定義した上で、「憲法9条の下においては許容
されている自衛権の行使は我が国を防衛するために必要最小限度の範囲にとどまるべきと解しており、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって、憲法上許されない」旨表明してきていた。この政府の憲法解釈は、その後30年以上にわたって一貫して維持されている。
  このように、永らく確立された憲法解釈を時の政府の政策によって都合良く変更することは、厳格に定められた憲法改正手続きを無視して憲法改正を行うに等しい行為であり、政府や立法府を憲法による制約の下に置こうとする立憲主義の原則に反し、断じて許されない。

3  さらに、国家安全保障基本法案は、①「我が国と密接な関係にある他国に対する、外部からの武力攻撃が発生した事態」に自衛権を行使することを明記(10条)して正面から集団的自衛権行使を容認しているだけでなく、②「教育、科学技術、建設、運輸、通信その他内政の各分野において、安全保障上必要な配慮を払う」べきことを定めて、国家安全保障を国の行政、国民生活上の最優先事項と位置づけ(3条)、③地方公共団体はもとより、国民に国家安全保障施策に協力すべき責務を課して国民を総動員することも定めている(4条)。さらに、④我が国の防衛とともに治安維持(「公共の秩序の維持」)を自衛隊の任務と定め(8条)、国連の安全保障措置等による国際活動への参加(多国籍軍への参加を含む)への道を開き(11条)、⑤平和憲法の精神に立脚する国家の基本政策であった武器輸出禁止三原則を捨てて武器輸出を認めている。(12条)。
  集団的自衛権行使の公然たる容認と、自衛隊の海外活動任務及び治安維持任務の規定は、2012年4月に発表された自民党憲法改正草案の9条の2と実質的に同じであり、このとおりに国家安全保障基本法が制定されれば、事実上、憲法9条が改正されたのと変わらない事態を招来する。これは、下位の法律をもって最高法規たる憲法を改正する極めて強引な手法であって、憲法に違反する法律や政府の行為を無効とする憲法98条に反する暴挙と言わねばならない。

4  日本弁護士連合会は、2005年11月11日の第48回人権擁護大会における「立憲主義の堅持と日本国憲法の基本原理の尊重を求める宣言」 、そして2008年10月3日の第51回人権擁護大会における「平和的生存権および日本国憲法9条の今日的意義を確認する宣言」において、集団的自衛権の行使は憲法に違反するものであり、憲法の基本原理である恒久平和主義を後退させ、全ての基本的人権保障の基盤となる平和的生存権を損なうおそれがあることを表明してきた。

5  よって、当会は、憲法前文や第9条によって禁じられている集団的自衛権の行使を、政府がその見解を変更することによって容認することや、集団的自衛権の行使を認める憲法違反の法案が国会に提出されることに、強く反対する。

               2014(平成26)年2月26日
                         鹿児島県弁護士会
                           会 長 柿 内 弘一郎

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