決議・声明

公的弁護態勢確立のための基盤整備を求める決議

2005.10.26

これまで日弁連および単位弁護士会は、当番弁護士制度及び被疑者弁護援助制度の活動を通して、被疑者国選弁護制度の必要性を訴え、その実施を求めてきたが、昨年、刑事訴訟法の改正により、ようやく被疑者国選弁護制度が次のとおり段階的に開始されることになった。
 第1段階は2006(平成18)年10月から、短期1年以上の重大犯罪を対象とし、第2段階は2009(平成21)年から、必要的弁護事件を対象に実施される。
他方、2004(平成16)年6月に、総合法律支援法が制定され、日本司法支援センター(以下、「支援センター」という)が国選弁護人候補者の指名等を行うことになり、同センターは2006(平成18)年10月から運営を開始することになっている。
 ところが、九弁連管内における各単位会の弁護士数にはかなりの差があるうえ、地域によっては弁護士がいないか、あるいは極めて少ないという弁護士過疎地域も存在する。こうした現状において、被疑者国選弁護制度、特に第2段階が実施されると、ほとんどの単位会において弁護士1人当たりの被疑者国選事件数が年間に10件以上から60件に及ぶものと推定される。しかし、被疑者国選弁護制度は地域を問わず全国あまねく実施することが求められており、そのためには必要となる国選弁護人を確保する必要がある。もし地域によって必要な弁護士数を確保できない場合、その単位会や地域にスタッフ弁護士を配置することが不可欠であるし、スタッフ弁護士の確保も十分できず当面その配置ができない場合は、当連合会内において、単位会の壁を超えた弁護士派遣等の連携協力も必要となる。
 刑事弁護活動は被疑者・被告人の権利を守るための活動であり、そのためには、弁護人の弁護活動の独立性が保障されることが大前提であり、同時に弁護人の活動に見合う国選弁護費用が支払われなければならないところである。 以上のことを踏まえて、当連合会は以下のことを決議する。
 1 九州弁護士会連合会は、国と地方準備会に対して、支援センターの指名により選任された国選弁護人が行う弁護活動に関して、スタッフ弁護士の配置、弁護活動の独立性の保障、弁護活動に見合った国選弁護費用の確保など、十分な公的弁護態勢を確立するための基盤整備を求める。
 2 九州弁護士会連合会は、支援センターが行う必要十分な公的弁護態勢を実現するため、弁護士過疎地域への弁護人の派遣等、各単位会の緊密な連携の下、最大限の協力を行うことを確認する。

2005(平成17)年10月28日
九州弁護士会連合会

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