決議・声明

安保関連法施行に抗議しその適用・運用に反対する会長声明

2016.04.19

 平成28年3月29日、平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下併せて「安保関連法」という。)が施行された。
 安保関連法は、「存立危機事態」なる抽象的で不明確な要件のもとに、歴代内閣が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を容認するものである。加えて同法は、従来、外国軍隊の武力行使との一体化に当たるとして禁じられてきた範囲にまで「後方支援」を拡大し、国連平和維持活動(PKO)に従事している自衛隊に駆け付け警護等の新たな任務と任務遂行のための武器使用権限を付与するものである。これは、戦争を放棄し、武力による解決を禁止している憲法9条に反するのみならず、憲法改正手続(憲法96条)を経ることなく実質的に憲法を改変するものであり、立憲主義の基本理念に反するものである。
 また、安保関連法は、多数の憲法学者のみならず内閣法制局長官経験者や元最高裁判所長官を含む最高裁判所判事経験者からも違憲性が指摘され、マスコミの世論調査で国民の約6割が反対を表明する中で、採決が強行され成立した法律であって、国民主権の理念にも反するものである。
 安保関連法の施行により、我が国が集団的自衛権の行使として武力の行使におよぶ場合や、駆け付け警護や後方支援の拡大に踏み出して外国軍隊の武力行使と一体視される場合には、我が国が相手国からの攻撃の対象になる可能性も高まる。また、自衛隊員が任務遂行中に武装勢力などの攻撃を受け、それに反撃することで戦闘行為となり、自ら殺傷し、殺傷されるという極めて危険な事態が生じかねない。これは我が国の恒久的平和主義を破り、平和的生存権を侵害する取り返しのつかない事態であって、決して現実化させてはならない。
 当会はこれまでも、安保関連法は憲法に反するものであり廃案にすべきであるとの主張を繰り返してきたが、安保関連法の施行に対し、再度抗議するとともに、その適用・運用に強く反対し、改めてその廃止を求めるものである。

                                     平成28年4月19日
                                       鹿児島県弁護士会 会長 鑪野 孝清

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