決議・声明

死刑執行に抗議する会長声明

2018.07.11

2018年(平成30年)7月6日、地下鉄サリン事件など一連のオウム真理教事件の死刑確定者13名のうち7名に対して死刑が執行された。
今年3月中旬に、オウム真理教事件の死刑確定者の一部が東京拘置所から全国5か所の拘置所に移送され、近日中に、死刑が執行されることが予測されていた中で、上川陽子法務大臣が指揮した今回の死刑執行は、死刑廃止の世界的な潮流に逆行する死刑執行であり、心神喪失の疑いがある者、あるいは、再審請求中の者に対する死刑執行という法的な問題を残す執行であった。
死刑制度には賛否両論があるものの、死刑の執行は国家権力が生命の尊重(生命の絶対性)を不可逆的に侵害するものであること、神ならぬ人が行う裁判制度の限界上、誤判(量刑の誤りを含む)や冤罪の危険性があること、国連は、様々な場面において、日本を含むすべての死刑存置国に対して死刑廃止に向けての行動と死刑の執行停止を求め続けており、死刑廃止が国際的に潮流となっていること、日本弁護士連合会が、死刑制度が抱える様々な問題点を踏まえ、国連犯罪防止刑事司法会議が開催される2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきであると宣言したことなどから、当会は、日本弁護士連合会や他の弁護士会と同様に、直ちに全ての死刑の執行を停止し、代替刑の導入等を含め、死刑廃止についての国民的議論を行うべきことを求めてきたところであり、今回の死刑執行は、国際的非難を招くことは必定である。とりわけ、今回の死刑執行は、同一事件の死刑囚7名に対して計画的に一斉に死刑を執行するという、民主主義国家では異常とも言えるもので、国内外に与えたインパクトは看過できない。EUとの間でようやく基本的な政治的合意に至った経済連携協定(EPA)と戦略的パートナーシップ協定(SPA)に影響を与えることは必至で、国連での我が国の名誉を害し地位を危うくするものであり、我が国の国益を大きく損なう危険が生じたことを憂慮する。事実、駐日EU代表部及びEU加盟国の駐日大使並びにアイスランド、ノルウェー、スイスの駐日大使らからは、今般の死刑執行を非難し、死刑廃止を視野に入れた死刑執行停止を求める旨の共同声明が発表されているところである。
よって、当会は、改めて、今回の死刑執行について、死刑執行の対象者が誰かに関わりなく、強く抗議の意を表明する共に、国際社会における我が国の名誉を回復するためにも、直ちに、死刑存廃についての全社会的議論を求め、この議論が尽くされるまでの間、すべての死刑の執行を停止することを強く要請するとともに、2020年までに死刑制度の廃止を目指すことを求める。

2018年(平成30年)7月11日
鹿児島県弁護士会
会長 上 山 幸 正

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